【夏夜】 「………ふぅ! ん~、この一杯のために生きてるね~」 【理】 「…と、ダブルのロックを一息で煽らないでください」 大体、そんなにすぐに空けてしまうんなら、 ロックじゃなくてストレートでも十分じゃないか。 …今置かれてる状況下で、 もっともしょうもない疑問点ではあるけれど。 【夏夜】 「とりあえず、チーズとナッツは大丈夫なんだよね? スパゲティとかピザとかないけど、食べられるものある?」 【理】 「大丈夫ですよ、大抵のものは問題ないですから。 …洋風のお店なら」 僕らが会社を離れたとき、 既に『花の金曜日』は、25時とかいう、 最近できた訳のわからない時間に突入していた。 既に終電のなくなってるこの時間帯… 普通の居酒屋はさすがに結構閉まってて、 開いているのは、24時間営業のファミレスか、 こういった、ちょっとお洒落めなバーくらいで。 僕は前者で十分だったんだけど、 今日は天城さんの方が強硬に譲ってくれなかった。 …お金、足りるかなぁ? 【夏夜】 「おごるから。大丈夫だから。 気にせず好きなだけ頼むこと」 【理】 「そ、そうは行きませんよ!」 |